染色作家・浄土紀久子の両面 手描き染めシルクスカーフ┃kikuko-online

作者の手作業による両面手描き染めの全制作工程を写真にて公開しています。

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手作りシルクスカーフの制作工程

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糊抜き(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

糊抜き

糊抜き :
工場で織られたままで市販されている生地は、糊や汚れがついています。
染料が生地に良く入るように、白生地をまず水で洗って糊抜きをします。

白生地(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

白生地

白生地 :
水洗いして乾燥させた生地を張り木という用具の針に均一にかけていき、
張り木の板2枚の間に生地の両端を挟みます。

張る(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

張る

張る:
生地の両端を張り木で挟んだ後、両側の張り木を生地が空中にピーンと張るように引っ張って固定します。

染料(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

染料

染料 :
最も色鮮やかな発色と耐久性を持つ化学染料で、シルク・ウールは酸性染料、綿・麻は直接染料。粉状で無限の混色が可能です。

色調合(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

色調合

色調合 :
ホウロウボールに水を入れ、粉状の染料を加えて混ぜ合わせ、
温度を上げて完全に溶解させて、色インクのような染料液を作ります。

描く―表(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

描く―表

描く―表 :
直接白生地に絵筆で描く、描上友禅の技法に独自の工夫を加えてます。
表、裏両面の絵からの滲み効果を見て、表、裏、交互に加筆していきます。

描く―裏(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

描く―裏

描く―裏:
表面を描き、乾かして裏面を描きます。表の色の染み込みを利用し、表裏、色違いのリバーシブル効果が強くでるような配色を工夫します。

ぼかす(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

ぼかす

ぼかす :
市販されているプリント柄ではできないグラデーション=ぼかし効果を、水と染料を使って、微妙に調整しながら作ります。

滲ませる(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

滲ませる

滲ませる:
量産品では出来ない印象派のモネのような、多彩な色粒が重なりあう滲み効果も、様々に工夫し多用しています。

乾燥(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

乾燥

乾燥 :
「ぼかす」「滲ませ」の色の混ざり合いの変化は乾燥で止まります。
この色絵の状態を完全に布に定着するための「蒸し入れ」まで3日間、乾燥させます。

巻く(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

巻く

巻く :
水蒸気を通す不織布と新聞紙の間に、描き終わった布を皺ができないように注意深く挟みこみながら、
ロール状に巻いていきます。

包む(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

包む

包む :
布の上に描かれた染料の色が水蒸気に直接触れて色絵が流れてしまわないように、
厳重に新聞紙と不織布でロールを包みます。

蒸す(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

蒸す

蒸す :
特殊な2重構造の銅製の蒸し器の中で、最大火力で1時間、高温と水蒸気を十分に通すことで、染料で描かれた色絵は布に定着します。

水洗い(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

水洗い

水洗い:
蒸しあがった布の水蒸気を飛ばし、常温になっとところでロールから取り出し自然乾燥。
十分に水洗いして余計な染料を取り除きます。

薬品処理(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

薬品処理

薬品処理 :
十分に水洗いして色落ちがなくなった布を、色止めの定着剤と肌触りを良くする柔軟剤の薬品溶剤に20分浸します。

乾燥(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

乾燥 :
水洗いして、色止め剤などの薬品処理の終わった生地を、
広げた状態で自然乾燥させます。

乾燥

アイロン(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

アイロン

アイロン:
色絵が定着した生地にアイロンをかけて、最後の仕上げをします。
スカーフにする場合はまわりをカットして、手巻きのため職人に送り出します。

完成(クリックで拡大画像と説明文がご覧頂けます)

完成

完成 :
白生地に直接絵筆で絵を描き、その絵を布に定着させるという
日本独自の描上友禅の長い工程を経て、オリジナル一点物手描き作品の完成です。

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